水深40メートルに眠る「エモンズ」

国内でも有数のリゾート地である沖縄は、一年を通して暖かい気候なのでマリンスポーツが盛んです。その中でもダイビングは本島はもちろんのこと離島にも数多くのスポットがあり、国内を始め海外からも多くのダイバーが訪れています。ダイビングの魅力は非日常を体験できることにありますが、沖縄ならではの人気ダイビングスポットの「エモンズ」をご存知でしょうか。

エモンズとは水深40メートルの深さに眠るアメリカの駆逐艦で、現在でも油の流失が続いていることに加え不発の魚雷や弾薬が残っています。その存在を知られるようになったのは2001年2月のことで、以前から地元の漁師の間では時々浮いてくる油で何かある、と噂されていましたが、地元のダイバーの調査によって発見され公表に至ります。

全長106mの大型の船体は時間の流れにより朽ち果てつつありますが、今でもその美しさを保っており訪れるダイバーを感動させています。巨大な主砲やスクリューなどを間近に見ることが可能で、太平洋戦争でゼロ戦の特攻によって日米ともに大勢の犠牲を伴って沈んだエモンズは、再び繰り返してはいけない戦争の姿を海の中に残したタイムカプセルのようにまぎれもない戦跡そのものです。そのため単にもの珍しさだけを目的に潜らず、手を合せて真摯な気持ちでこの船に会いにいくべきと言えるでしょう。エモンズに会いに行く際に注意すべき点は、最大水深45メートルもあることです。

もちろん中層を泳ぐことによって40メートルを越えない深度で潜ることとなりますが、レジャーダイビングでギリギリの深度となっています。シビアな浮力コントロールや中世浮力を求められることは間違いありません。また、また一気にロープ沿いに水面から40mまで潜行するため窒素酔いにも注意が必要となっています。その深さ、また時に強く流れることもあるため、誰でも簡単に見に行くことが出来るわけありませんが、ダイビングをするなら一度は見てみたいスポットとして密かな人気を集めています。

エモンズ(USS EMMONS)の沈没船・徹底検証