エモンズ・USS Emmons, DD-457/DMS-22

エモンズ(USS Emmons)とは、第2次世界大戦時に活躍したアメリカの駆逐艦です。1940年11月14日に起工され、1941年12月5日に駆逐艦としての運航が始まりました。エモンズという名は、ジョージ・F・エモンズという19世紀に活躍した海軍少将の名前に由来すると言われています。

就役後、ノーフォーク―港を出港しペルー、チリ、エクアドルなどの港を回りました。また、空母レンジャーの護衛のために大西洋を横断するなど、第2次世界大戦の真っただ中で駆逐艦としての任務を順調に遂行していきました。1945年年3月19日、エモンズは沖縄戦に参加するため停泊していたウルシー泊地を出発し、4月1日に控えた上陸に備えていました。

そのさなか、日本の神風特攻隊による攻撃にさらされ、沈没は避けられたものの船体に致命的なダメージを受け、航行能力を失ってしまいます。また、この戦闘で乗組員60名が戦死、70名が負傷しました。その後、敵の手に渡ることを恐れた海軍によってエモンズは海の底に沈められてしまいます。起工されてから役5年、第2次世界大戦の荒波に翻弄された駆逐艦は、その使命を終えました。

エモンズ(USS Emmons)についてはエモンズ(USS Emmons) 完全マニュアルにも詳しく記載されています。

エモンズ(USS Emmons)

70年以上たった今でも沖縄の海に眠っているエモンズですが、実はダイビングスポットとして注目されているのをご存じですか。終戦から50年がたった2000年、海から浮いてくる油を地元の漁師たちが発見し、海上保安庁に通報しました。そして、その後の調査で特攻機の攻撃によって沈没した駆逐艦、エモンズが発見されたのです。

深さ40メートル、潮の流れが速い海域に存在するため、経験をつんだダイバーしか潜れないようですが、それでも沈没船を間近で見られるこのスポットに惹きつけられる人は後を絶ちません。

当時のままの砲台や不発の魚雷、爆薬などもそのままになっているようなので、まさに生きた戦争の遺物と言えるかもしれません。時が止まったままの沈没船を間近で見られるなんて、なんだかロマンがありますね。